39. 呼吸をかえると人生変わるは本当か?

呼吸の際の胸郭の動きが停滞すると、体を動かしていない ときの体液循環が低下するという話をしました。

つづきです。

胸郭がどんなとき、十分な働きをしなくなるのか。

ひとつは疲れの蓄積です。

疲れてくると、だれでも全身の筋肉が柔軟さを 失っていきます。

呼吸の際、あばら骨を動かしているのも筋肉です。

ですから疲れの蓄積は呼吸を浅くしてしまします。

もうひとつは長時間の精神緊張です。

オフィスなどで長時間緊張して働いていると、 緊張が呼吸を浅い状態に長時間固定してしまいます。

すると胸郭にも緊張がのこった状態になります。

ちなみに試験や試合のあと疲れが大きいのは、 精神の緊張だけでなく胸郭の動きの低下、 呼吸の浅さが同時におこるので、体液循環が 低下するためです。

長時間の緊張が毎日のようにつづくと、どんどん 胸郭の緊張と動きの低下は増していきます。

ある程度緊張がつみかさなると、休憩のときに 休んでいるつもりでも、呼吸の浅さがそのままに なり、体が休息の状態に入りにくくなります。

なかなか寝付けない、疲れやすい、同じことを 考えてしまうといった状態の時には、胸郭の 緊張が定着してしまっています。

このような状態にならないよう、毎日十分に 休息をとることが必要です。

しかし現代人は休息の時にもパソコンを使って いたり、長時間の勤務を課せられたりして、休息が とりにくい時代に生きています。

つまり、胸郭を緊張させたままになりがちです。

逆に胸郭の働きが十分で、いつも深い呼吸をできていると 疲れにくく、気持ちも穏やかでいられます。

呼吸が人生を左右するというのも、まんざら誇張では ないのですね。

胸郭の動きの改善に効果のあるのは、身近なことでは カラオケや吹奏楽でしょう。

そのあたり、また次回に。

40. 胸郭をタオルでしめて息をはく

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