神経・筋肉・骨格にアプローチし、体の治癒力を回復させるという手法です。
特に上部頸椎や頸椎5番などに注目したテクニックという感じ。
頸椎や上位肋骨へのアプローチ方法を工夫されていて、ある程度触診できる人なら比較的容易に取り入れることのできる手法かなと感じます。
この教材はコメントがとても難しいです。
どうしてかというと、僕の場合は「特定の部位への施術」を否定的に考えているからです。
じゃあなんで買ったんだよ!と言われそうですが、内容にもう少し期待していたのかなと思います。
特定の部位への施術で改善を図る手法というのは、多くがカイロ系のテクニックだと認識しています。
特定の部位は概ね、上部頸椎、仙骨あるいは骨盤、頭蓋骨、などに限定されます。
施術部位を特定することのメリットはなんでしょうか。
施術時間の短縮と操作の簡略化かな?
でも、僕だったらこう考えてしまいます。
足や手を捻挫して、その後遺症の影響で背骨が歪んでいる場合、どこを施術するべきか。
やっぱり手や足の原発部位が正解かなと思うのです。
そこへの施術がなくても、足や手からの影響で悪化してきた問題は緩和できるかもしれません。
でも、施術をやめればまた同じ状況に逆戻りしてしまうのではないでしょうか。
あるいは別の形でどこかに症状がでることも考えられます。
つまりは解決ができない展開になってしまう可能性が大ではないかと。
僕もいろいろなことを試してきたのですが、やればやるほど、「患者さん本人も気が付いていないが痛めてしまっている部位」への施術が大事に感じるようになっています。
このスタイルが最も効果が大きく、問題はあっさり解決することが多いと思います。
特定部位でやっている施術者で上手い人は、おそらくエネルギー量の多い人なんじゃないでしょうか。
エネルギーが強いので、特定部位を良い状態で維持できる期間が長いのかもしれません。
あるいは劇的効果もでるかもしれません。
僕の場合エネルギーが少ないので、その手法ではあまり効果が出せないですね。
整体業界も、いろいろなビジネススタイルがあると思います。
例えば一か月に1~2回で体調を維持できれば、完治できなくても良いかもしれません。
頑固な症状をお持ちの方は、それで十分通院価値はあると思います。
どんな高度な施術でも、根本的に解決できない症状・体調もたくさんあります。
例えばあまりに虚弱な場合、施術なしでの体調維持がとても難しいように思われます。
症状の難易度が施術者の技量を超える場合、結局は対症療法的な施術になるでしょう。
でもなんか、完治する希望があるような方向で施術したい、というのが僕のスタンスです。
今回のコメントは、僕の特定部位への施術への理解が間違っていることも十分ありえることなので、不愉快に思われた人もいると思います。
ただ、知っておいた方が良い情報があります。
今アメリカでは、カイロプラクター養成校の多くが定員を割っている状況だそうです。
それが何故なのかはいろいろな理由があるとはおもうのですが、人間の健康度がどんどん下がっている現状で、カイロでの施術効果がとても出にくくなってきているからだと指摘する声があります。
どんな手法でも効果の出しにくい時代がきているのだと思います。
ですから、より本質的な方法を会得していくことが大切なのではないかと思います。
今回の教材は、患者さんへの説明が上手い人で、短時間で効率的に施術したいひとにおススメかなと思います。
あと、エネルギーの強い人向きかも。
同じ手法を同じようにやっても、効果に大きな違いが出てしまうのが整体の難しく、そしておもしろい面かなと思います。
僕も多分、強いエネルギーを持っていたら今とは違った施術スタイルになっていたと思います。
かつて見た鍼灸術の教材で、指一本で経絡を簡単に調整してしまう施術者の映像を見て驚きました。
一言「ありえん・・。」
でもそんなことが実際にありえてしまう業界。
それでも整体術はとてもおもしろいですね。