幻覚とつきあう一つの方法について

幻覚を見る人への一つの提案。

私は、ある特定の季節に特定の状況が揃った時、幻覚を見ます。

彼は、暗がりが大好きで、特に夜やってきます。

来てほしくないのに勝手に表れます。

いつも同じ風貌をしているわけではありません。

だけど、それは全てが彼なのです。

幻覚を見ない人のほうが圧倒的に多いでしょうし、幻覚を見る人も、 見え方等は様々で、たいした参考にはならないかもしれませんが。

私は彼に、自分の心の中から出て行って欲しいと願っていました。

だけどある時、彼が私の心の中の住人であることを認めたのです。

以降は、幻覚が表れても、彼が今、私の心の中で、どんな状況か、 とっかえひっかえ変えてくる風貌を自分なりに察して、認知します。

そうすることで、少なくとも怯えることから脱却しました。

また、幻覚も少なくなり、特定の季節が苦にならなくなりました。

なぜ、このような考えに至ったかといいますと、 自分の記憶と思考方法は消すことはできない。と思ったからです。

私の記憶には、生まれてからこれまで目にしてきた人、風景等が、 ぎっしりと詰まっています。

この一部分を都合よくデリートする なんて不可能。

私がこれまで生きてきたことによって身に着けた、 思考方法の一部だけ不必要だからといって、脳の中にある特定の カイロを切断するなんて不可能。

であるなら、記憶は記憶として 受け止め、思考方法を増やしていくしかないんじゃないかと。

書くのは簡単ですが、こう思えるまでは相当の道のりでしたが。

直視する練習から初めて、慣れるまでに3年以上かかりました。

幻覚は、排除するより、受け止める方が先なのかもしれませんね。

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