31. 呼吸に秘められた二つの支配
呼吸を担う肺が、他の臓器とは違う性質をもっている と言う話を前回しました。
続きです。
心臓やすい臓などの機能は体がかってにやってくれて いますが、逆に自分でそれを停めようとか、活動を増やそう とか思ってもできません。
完全に自律神経によって支配されています。
しかし、肺は自動で体が制御してくれているにも 関わらず、自分の意志でも活動をコントロールできます。
この性質こそが、呼吸が重んじられる理由です。
つまり 自律神経によっていつもはコントロールされている 肺の動きを、意識的にコントロールすることによって、
「自律神経をコントロールすることがある程度可能になる」
ということなんですね。
たとえば、緊張してしまって心臓がバクバクしているとき、 大きく深く深呼吸することによって、いくらかは心臓の動きにも 落ち着きを取り戻すことができます。
それだけでなく、呼吸を利用することによって胎児のような とても安心した落ち着いた状態にもっていったり、 逆に興奮した状態に自分を導くこともできます。
呼吸法を一日一回やれば、普段の精神状態にも落ち着きを 与えたり、毎日の緊張をリセットすることができます。
呼吸法の目的はおおむねこんな感じです。
ただ、呼吸法も利用するとはいえ、気功やヨガの目的は 全くちがう、といいますかもっと大きな事を目標として います。
そのあたり、また次回に。